Rikei Girls' Collection 2019
-talk report-



2019年2月10日に開催されたRikei Girls’ Collection 2019の講演会について紹介します!

東京大学大学院 理学研究科 博士課程に在学中で昆虫の脳を専門に研究しながら、シンガーソングライター、タレントとして活躍されている、Reina+Worldさん(レイナワールド、以下Reinaさん)にご登壇いただきました。
また司会はRGCでおなじみの、首都大学東京 理学部出身で司会者・MCとして活動なされている渡辺さきさんに今回も進行していただきました。

サイエンスコミュニケーションの活動を始めたきっかけについてお話されました。
また大学院研究職の現場のリアルなお話などもお伺いしました。








-学生時代について教えてください。


-千葉大学在学中の2.3年生の頃、心の中のもやっとした感情を自己表現してみようと思い、趣味の範囲ですがバンドサークルで作曲を始めました。
また当時は自分に自信がなくて、人前に立つ練習をしようとキャンペーンガールや販売員など人と接して説明する仕事を始めました。これらが今のサイエンスコミュニケーションの活動につながっているのかなと思います。
一方で研究に対する目標は明確で、定量生命科学研究所で生命の仕組みについて学び、いずれは自分の研究室を持ちたいとも考えていました。院試を経た後、目標の東京大学院へ進学し、いまは博士号取得のため昆虫生物学の研究を行っています。

-サイエンスコミュニケーションの活動を始めたきっかけについて教えてください。


-最近日本の化学業界が失速していると感じていて…。特に化学業界はトラブルもあったことですし、このままでは優秀な学者は増えないと危惧しています。
博士というのは人類の知識の境界線を押し続けるお仕事だと思うんですね。それと同時に自分の研究以外にも、先端技術を一般の方々に知ってもらうための口語的な活動をする必要があると思います。ですが業界と社会をつなげる橋渡しがまだ足りないな、と段々感じるようになって、サイエンスコミュニケーションの活動を始めました。

-研究とシンガーソングライター、そしてタレントとの両立で大変だったことは?


-研究は料理と同じようなものだと思います。しかも分子生物学は生命を扱うので時間の管理がとても難しくて大変でした。具体的には妊娠しているマウスの胎児の、微妙なタイミングを見計らったりしていたので。
ですので時間を決めて実験を行うようになりました。両立は今だけという気持ちもありますが、計画を立てることと、反省する時間を設けることは意識しています。

-学んできて良かったと思ったことは何でしょうか。


-人類共通の知識を自分が開拓できる喜びですかね。分子生物学では自分の身体の仕組みを深く知ることができるのも醍醐味だと思います。
自分が世界で一番詳しい人間になれることは世界が広がった気がして、とてもわくわくします。

-今後の目標について教えてください。


-音楽を使った新しいサイエンスコミュニケーションの開拓にチャレンジしていきたいです。また今日のようにイベントを通して、皆さんに知ってもらえる機会を増やせたらなと思います。
そして科学業界の新しい広報の仕組みを作って、研究者がのびのびと研究できる環境を整えたいと思います。

-最後に、会場の学生にメッセージをお願いします。


-なぜ?どうしてだろう?と思ったことを大切にしてください。SNSでもいいし、人に話すのでもいいし、気づいたことをたくさん発信してほしいです。皆さんの発信の積み重ねがサイエンスコミュニケーションにつながると信じています。



講演の最後にはReinaさんによるパフォーマンスも披露され、会場が盛り上がりました。
Reinaさん、渡辺さきさん、素敵なご対談をありがとうございました。