山本いづみさん

日本を飛び出し、アメリカで日々奮闘 山本いづみさん(2014/09/11)



経歴

大学院卒業後hp(ヒューレットパッカード)営業職に就く
現在はアメリカhpマーケティング部
※hp(ヒューレットパッカード)はアメリカに本社を構え、コンピューター製品の開発、製造、販売などを行うシリコンバレー・ベンチャー企業の元祖です。

メインインタビュー

―大学に入学するまではどのように過ごしていたのですか。
―父親の仕事の関係で3歳までロンドンで、小学校5~6年の2年半をアメリカの現地校で過ごしました。
ロンドンでの記憶はないものの、アメリカですごした2年半はかなり充実しており、また父親の影響もあり、「いつかは海外で仕事をするのだ」と漠然と思っていました。
日本に戻ってきてからは女子中高一貫校に通っていたものの、人と違うことが多くうまくなじめず、軽い対人恐怖症のようになり、人間関係においては、「広く浅く」を心がけるようになってしまった時期がこの頃です。

―大学に入学してからはどのように過ごしていたのですか。
―国立大学で機械工学を専攻しました。
大学のサークルではオーケストラに入り、勉強よりも昔から続けていたフルートにどっぷりつかっていました。
3年の時にはセクションのリーダーを任され、リーダーシップを知らず知らずのうちに学んでいました。そのとき意識していたことは、自分は、やっていることに対してpassionを持って取り組んでいると伝えることと、相手の思っていること、考えていることをとことん聞いてあげることでした。押し付けて行動させるのではなく、よく話して、自分は味方であると感じてもらうこと、相手に自発的に行動してもらうことが重要だと思います。

―大学院ではどのように過ごしていたのですか。
―大学4年生のときの卒論研究で自分は研究があまり好きではないと気づいたのですが、今さら就活をすることもできず、そのまま大学院へ進学しました。しかし、研究室は優秀な人ばかりで、劣等感を感じる日々でした。そのせいで軽いうつになってしまいました。
そこで自ら健康相談室に行き、相談員の方にひたすら話を聞いてもらいました。
不思議なことに、そこで周りに劣等感を感じることなどない、ありのままの自分でいいのだと、自分を受け入れることができるようになりました。「聞く力」は偉大であることに気付かされる瞬間でした。
失敗してもいい、ということを学んだ経験から、就活の際には対人恐怖症克服の意味も込め、今の会社の営業職に就職しました。

―日本で働いていたときについて教えてください。
―hpでは新人でも営業のリーダーを任されることがあり、リーダーシップが必要となります。そんな時にも大学のオーケストラで学んだ技が生きてきました。ゴール設定を行い、ゴールに近づく方法をひたすら提案してもらい、その発言を聞いていました。そして、ありのままの自分をさらけ出し、周りの人に助けてもらいながら大きなプロジェクトも成功させていきました。

―日本からどうしてアメリカに行くことになったのですか。
―入社から数年たったころ、経営企画の仕事を任され、そこで、グローバルな世界の中でどうやったら生き残れるか、を学びました。
それをどうやって若い社員などに還元していくかを考えたときに、まずは自分が実際に海外で働くのが一番早いと感じました。
そして旅行先で訪れたシンガポールで現地hpのエグゼクティブに直接会い、「いつか自分を雇ってほしい」と伝えたり、自分の売り込み活動をいくつか行ったりしました。そのことが日本のエクゼクティブの耳にも入り、後押しをしてもらえ、結果的に、アメリカで働くチャンスを得ることに繋がりました。

―現在はどのような仕事をなさっていますか。
―日本とアメリカの架け橋となる仕事をしていて、マーケティングの部署にいます。より沢山のお客様に、将来ITに関するご相談を他のIT会社ではなくhpにして頂ける様になることを目指した活動をしています。
お客様は日本企業の方々となりますので、半分は日本語を使って、半分は英語を使ってお仕事をしています。今後は、すべてが英語環境でも、現地採用のアメリカ育ちの社員と同じパフォーマンスを出せるような人材になることが目標です。

―余談ですが、仕事をする上で日本とアメリカとの違いはありますか。
―アメリカは出勤時間が早く、退勤時間も早いです。なんと午後4時ごろに退勤ラッシュがあります。家族との時間をとても大切にするのです。
また、仕事は完全に振り分けられます。だから、隙間を埋める仕事は上司の人が行うことになり、必然的に忙しくなります。日本だと、社長は割と暇で、部下のほうが忙しいなんてイメージがあります。
アメリカでは、反対意見を出しても対等に扱ってもらえます。
逆に日本での根回しなどの心配りはアメリカにはないそうで、感謝されることが多いです。

―学生のうちにしておくとよいことはなんですか。
勉強でもそうでなくとも良いので、とにかく何かに目一杯打ち込んで、いろいろな経験をつむこと、夢をかなえた人に会い、刺激を受けることだと思います。

―最後に中高生に伝えたいことを教えてください。
―“どんな道を選んでも遠回りではない”。何度失敗しても構いません。どんな失敗も無駄にはなりません。全ての失敗は、必ず自分の目標達成への近道に繋がります。失敗を恐れずに自分の目標に向かって、突き進みましょう。
また、目標がある時は、なるべく多くの人にそれを伝えることが大事です。なぜなら、それを聞いた人のうち、支援をしてくれる人が必ず何人か現れるようになるからです。そうやって偶然出会った人たちの、偶然の助けが重なり、将来大きなチャンスが舞い込んでくるようになります。


自分の目標に向かってポジティブに努力している、そんな山本さんを短い時間のインタビューの中でも感じ取ることができました。お忙しい中、ありがとうございました。