伊藤若菜さん

プリンター開発の現場でキラキラ輝く理系女子!伊藤若菜さん(2012/11/20)



経歴

厚木東高校
東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 修士課程
RICOH 画像エンジン開発本部

メインインタビュー


―理系進学を決めた理由はなんですか。詳しく学ぼうと思った時期と理由を教えてください。
―小学生の時から理系科目にとても興味があったので、中学・高校時代、進路で悩むことはあまりありませんでした。
理由は父の影響が大きかったと思います。手に職を持つならモノづくりだろうと。
父もメーカーの技術者なのですが、仕事に生き生きとしていて、なんだか楽しそうだったからです。
あとは、理科を担当している先生が面白い授業をしてくれたことです。
河原で生物の観察をしたり、理科は新しいものを作れるのだと知り、それで好きになりました。
やはり、理科の面白さに気づかせてくれた両親や先生の存在は重要です。

―中高生の時はどんな部活をやっていたのですか。
―中学生の時はバスケットボール、高校生の時は水泳をやっていました。
今思えば、集団系のスポーツで協調性の大切さ、個人系のスポーツでマイペースを崩さないことや自己のスキルアップの大切さを学んだのかもしれません。
仕事をするうえで体力や体調を整えることは絶対必要なので、できる限りスポーツはした方がいいです。

―理系でよかったと思うことを教えてください。
―メーカーでモノづくりをするにあたって、重要な型と理論を身につけることができたことです。
型とは、仮説を立ててどうなるか、自分で考えたうえで実験を行っていくことです。
理論とは、その時の仮説を考えるための情報・道具です。この二つをバランスよく使うのが、仕事を進めていくうえで重要だと思います。
逆に、学生の時は、全体を見回す力や相手との対話力が不足していたかもしれません。
全体を見回す力とは、例えばあなたが大学生ならばこの研究はどのように役に立ち、ライバルはどのような状況で、自分はどんな立場で、ならこうしていこうと判断できる力。
マーケティングに近いと思います。また、相手との対話力とは、相手の意見をよく聞きつつも、自分の要求をきちんと主張していく力。これは交渉術に近いです。
仕事をするうえで、他グループと意見がぶつかることも多いですが、自分と相手の共通の目的は何か、相手はなぜこう考えるのかを考え、全体の最適化を図っていく必要があります。そういうときにはこういった力がいるなど、仕事をしながら日々実感しています。

―プリンター開発を担当されているそうですが、この分野を選んだ理由を教えてください。
―理由は、日本のメーカーでモノづくりをしたかったことと、するなら企画~製品開発~製造の広い視点に立って仕事ができる分野を選びたかったからです。
自動車など大きすぎる製品を扱うと、仕事が細分化されてその一部にしか携わることができない、というのが私の認識でした。
その中でプリンターは、電磁気学・熱力学・半導体・有機化合物など様々な分野が集まった決勝のようなものです。
私が所属している画像エンジンでは物理系の能力が求められるので、物理系の自分は広い視点に立つことができるのではないかと思いました。
みなさんも研究内容や専攻を仕事に生かしたいと思うでしょう。
私の場合、分野は違うけれど物理という大枠は同じなので、知識は生かせています。けれど学生時代は半導体の研究をしていたので、仕事の分野は違います。
その場合はどういった仕事がしたいのか、という視点で考えるといいと思いますよ。

―一日のタイムスケジュールを教えてください。
―午前は資料作成や会議、午後は製品開発のための実験をし、その結果に基づいてちょっとした相談や会議をしています。
中には他事業所とテレビ会議をしたり、海外の部署とやり取りすることもあります。
一日のスケジュールは、基本的にアウトプットと優先順位を決めて作ります。
また、この結果を出すにはどんな実験をしてどんな考察をしたらいいか…これは学生時代に書いていた実験ノートの考え方が役に立っています。 もちろん今でも実験ノートは書いています。

―実験をしていて、うれしいこと、大変なことはなんですか。
―先輩から頼ってもらえたり、上司に自分の意見を述べて影響を与えられたとき、認められたときは嬉しいです。
逆に自分と考えの違う人に、考えを理解してもらえるよう説得しなければいけない時は大変です。
先ほどの対話力と同じですが、どうやって人を巻き込んでいくか、ただ理路整然と意見を述べていくだけでなく相手の思っていることを理解することが大切だと思います。

―今後の目標を聞かせてください。
―仕事での目標は、自分の思い描いたようなプリンターを開発・発売してシェアを獲得することです。
プライベートでは、会社以外の様々な人とも交流を深めたり、女性技術者が増えるような支援を行っていきたいです。

―最後に、女子中高生へのメッセージをお願いします。
―ここまでインタビューを読んでくれてありがとうございます。今現在、理系と文系の間で迷っている方も多いと思います。
そんな時はまず自分で考えてみて、次に「友達に相談してみる」「先輩や大学生に聞いてみる」など、ちょっと勇気を出して動いてみてください。
例えば、今回のインタビューに対し、「この部分をもっと聞きたい」「ここがわからなかった」といった意見を送ってみる。
そういうことでもいいと思います。人と繋がることで新たな展開が生まれてきたりします。 ぜひチャレンジしてみてください。
皆さんの進路選択が納得のいくものになるよう応援しています。


伊藤さん、貴重なお話しをありがとうございました!


ブログでもインタビュー記事を掲載しています。ここには載せられなかったお話もあるのでぜひチェックして下さい!
 
予習編はこちら


本編はこちら