名倉 奈都子さん

食品メーカーの開発職として働く名倉 奈都子さん(2015/08/09)


経歴

東京理科大学大学院 理工学研究科 応用生物科学専攻 修了
株式会社和光堂 ベビー&シニア研究開発部 シニアフードグループ 主任

大学院を卒業して就職したのは大好きな食品メーカーの開発職。
穏やかそうな笑顔を浮かべていらっしゃる名倉さんが大学時代にはまっていたのは少林寺拳法。
意外な一面を持つ素敵な理系出身女性社会人にインタビューしてきました。

メインインタビュー

-理系に進もうと思ったきっかけを教えて下さい。
―小さい頃から植物が好きだったというのが大きな要因ですね。家で植物を育てたり、家族で梅園に行ったりしていました。
高校の時にも生物学を学ぶのが楽しいなと感じていたので理系に進みました。

-大学や学部・学科を選択するうえで何か気にしたことはありますか。
−植物を学びたいという思いはもちろんありましたが、微生物や動物などにも興味があったので幅広く勉強できるということを重視して選択するようにしました。この頃は自分の好きなことを突き詰めていける研究者になりたいと思っていました。

-大学ではどのように過ごされていたのですか。
―四年生で研究室に配属されるまでの三年間、少林寺拳法部に所属して毎日のように練習をしていました。
通っていた高校が大学の付属校だったので受験指導をしてくれる学校ではなく、受験に専念するために部活で続けていたテニスも高校2年のときに辞めてしまったんですよね。その反動からなのかもしれませんが、特に一生懸命になってがんばりました。
部活で様々なことが起こる中でも協力して頑張った仲間が大切な人たちになっていますね。今でも都合が合うときには食事に行ったりしています。

-大学院進学はどのように決意しましたか、またなぜ食品メーカーの開発職を選択したのですか。
―研究職・開発職・技術職に興味があったので、学部卒よりは有利になるだろうということから特に悩まずに進学を決めました。
植物に興味があって大学に進学したのですが、大学で勉強していく中で微生物に興味がわいて大学院では乳酸菌について研究していました。
しかし研究していく中で、誰も知らないことを証明する研究よりもこだわってものを作る開発のほうが自分には合っているなと感じて。
そして、食べることも好きだったので食品メーカーを選びました。

-就職してからはどのようなことをなさっていましたか。
―去年の9月までは粉末飲料を作っていました。この時はとにかく「おいしい」を突き詰めてレシピを追及していましたね。
マーケティングの方と相談しながら、だいたい半年くらいで依頼された商品を形にしていきます。
最初の二ヶ月弱はもっぱら味づくりで試飲を繰り返して「おいしい」を具体化していきます。そのあとは、工場で大量生産した場合でも同じ味が再現できているか確認しながら、最終的に商品にします。
その間にもパッケージを作る部署や営業の部署など様々な方と協力・コミュニケーションを取りながら仕事を進めていくのが大変でした。
でも、ひとつのものは自分の力だけではできないということ、協力して作るということが知れる良い機会でしたね。

-現在はどのようなお仕事をなさっていますか。
―今は高齢者や授乳されているお母さん向けの商品を作っています。
この部署に移動になってからは、おいしさはもちろん、飲み込みやさや栄養についても考えるようになりました。
また、高齢者の方が食べやすい物性や必要な栄養素などについての勉強も始めました。でも、この勉強は一人で机に向かってするわけではなくて先輩方から教えてもらいながら一緒に仕事を進めていきます。
お母さん向けの商品を作っている会社だからこそ、女性が活躍できる恵まれた職場環境です。

-働く上で大切にしていることはありますか。
―チームワークを大切にするようにしています。大変な時には助けてもらって、逆の場合は助けてあげたり。
コミュニケーションをとることもとても大事だと思いますね。どんな仕事も一人ではできないので。
それから、これは職業病的な感じだと思うのですが、食べる時に、「隠し味は何か」とか考えてしまいます。以前よりも慎重に食べ物を味わえるようになったと思いますし、それが楽しいですね。

-お仕事のやりがいを教えて下さい。
―ひとつの商品を作る時に、様々なことにこだわっています。だからこそ、自分がこだわったものが店頭に並んでおいしいと言ってもらえるととても嬉しいです。

-理系だから良かったことってありますか。
―仮説を立てて、実験をして、考察をする。この流れを学生の時に訓練することができるので、理論的に考えられるようになると思います。
理論的に考えられると説得力を増して自分の意見を伝えられるようになると思います。でも学生の時は最初は失敗の連続で・・・。失敗の中から学んでいく感じでしたね。

-学生の時にしていてよかったこと、しておけばよかったことをお願いします。
―しておいてよかったことは、学生の時にしかできないことを経験できたことですね。
少林寺拳法はもちろん、研究をいつもより少し早めに切り上げて研究室の仲間でホタルを見に行ったりしていました。これは社会人になったときでも話のネタとして使うことができていると思いますね。逆にしておけばよかったことは勉強です。
部活が忙しかったこともあり、勉強はテスト前に集中的にするくらいでした。でも就職してみると薬学系、栄養系、化学系などさまざまなバックグラウンドを持つ人がいて、その中でお話しているときに「自分の分野の話ができたらもっと楽しいかもしれないな」って思ったりはしますね。



名倉さん、素敵なお話をありがとうございました!